「ワセグリッシモとは何か」
演奏会マネージャー 植木 俊幸
私はできるだけ多くの人に早稲グリの魅力を伝えたいと考え、運営のトップを中心に早稲グリブランド化推進委員会なる広報推進委員会をたちあげました。その活動の一つが音楽配信をして、それを全国のいろんな人に見てもらえるようにしようというものでした。しかし、音楽配信で大量の音源を一度にアップするような時間は学生にはないし、そのようなライブラリーは私たちの良く知っている某男声合唱団がやっている。また、資料形式では男声合唱をやっていない人にはどれを見ていいかわかりずらい。そこで、色々な企画をたてて音源を楽しんでいただくのが良いのではないかと考え、コラムなどを載せたりすることで、男声合唱にあまり詳しくない人たちに見てもらい、早稲グリに親しんでもらいたいと考えました。そこで、月ごとにホームページ上で雑誌のような形で発行していくことにしました。その名も月間「ワセグリッシモ」!
ワセグリッシモって何なんだよ!と思われる方も多いでしょう。
早稲グリの中にワセグリッシモという言葉が存在します。ワセグリッシモとはf(フォルテ)5つとか6つとかいわれる言葉で、fとは、「強く」という意味で音量的に言えば「大きく」、「デカく」というような意味なのでしょうから、ワセグリッシモとは相当強く、デカい声のことをさすのです。この言葉がいつから生まれたのかは分かりませんが、ワグネルでいう「ワグネルトーン」にあたるものであり、早稲グリのアイデンティティの根幹を成す言葉だといえると思います。
それは早稲グリの格言「声が一番デカい奴が一番偉い、一番たくさん食えるやつがその次に偉い」という言葉にも通じるでしょう。
ワセグリッシモが最も表れる曲といえばやはり斎太良節でしょう。斎太良節を歌うときには、指揮者から「何も考えずに」頭を振り、何も考えずに「頭が狂ったように」子音(つば)を飛ばし、腹のそこから大声を出し、叫べ!と言われます。早稲グリでは「大漁」は「っつぁいりょう」と発音します。前の奴の頭をつばが飛び越えて虹ができるほど子音を出せと言われます。何も考えずに頭が狂ったように最強の大声を出す、これこそがワセグリッシモであり、早稲グリが日本最強と名乗るゆえんだと思うのです。もちろん練習では色々考えて練習している(はず)のですが・・・・。
このワセグリッシモには早稲グリのアイデンティティがぎっしり詰まっているといえるでしょう。早稲グリの「何だかわけわかんねーけどすごい迫力!すごい魂が伝わってくる」、それこそワセグリッシモであり、早稲グリの歌の真髄だと思います。早稲グリの歌には熱くて、激しくて、何だかわけわからないけどヴァイタリティにあふれていて、聞いているとなんだか叫びたくてムズムズしてくるようなパワーがある気がするのです。そう、魂が伝わってくる歌、それが早稲グリの最大の魅力だといえるでしょう。少なくとも、僕が入団したのは、そんな早稲グリのかっこよさがあったからです。そんな早稲グリの魅力をこれから多くの人に伝えていければ、幸いです。そして2007年に100周年を迎える早稲グリがさらに発展していければ最高です。 |